どこで最期を迎えるかに、正しい答えはありません。 病院を選んでも、自宅を選んでも、途中で変えても、誰も責められません。 ここでは判断の材料になることだけを書きます。
「自宅で亡くなると警察が来る」は、誤解です
これを心配して自宅での看取りを最初から外す家族がいます。実際は違います。
主治医が診療していた病気による死亡だと判断できれば、医師は死亡診断書を書けます。 最後の診察から時間が空いていても、それだけで検案(警察が関わる手続き)になるわけではありません。
問題になるのは誰も診ていない状態で亡くなったときです。 つまり在宅で看取るなら、要になるのは訪問診療の医師をつけておくことです。
実際にどう扱われるかは状況によります。「うちの場合はどうなるか」を、 元気なうちに主治医に聞いておいてください。その一問で家族の不安はかなり減ります。
在宅で看取るときに要るもの
- 訪問診療の医師…定期的に診てもらい、亡くなったときに来てもらえる関係を作っておきます
- 訪問看護…24時間対応の事業所なら、夜間や休日に電話できます。家族がいちばん心細い時間帯です
- ケアマネジャー…介護のサービスを組み直します。状態が変わると必要なものも変わります
この3つが揃っていれば、何かあったときに最初に電話する先がある状態になります。 在宅での看取りがつらくなるのは、たいてい「誰に連絡すればいいか分からない」ときです。
決めたことは、変えていい
自宅でと決めていても、途中で病院に移ることはできます。逆もできます。 一度決めたら最後まで、ではありません。
介護する側が限界に近いと感じたら、それも立派な理由です。 ショートステイを挟む、入院に切り替える、 どれも選べます。家族が倒れない形が、結局いちばん本人のためになります。
そのあとのことも、一度だけ見ておく
読むのがつらければ飛ばしてください。ただ、手続きの順番と期限を一度見ておくと、 そのときに慌てません。亡くなったあとの手続きに 流れ図でまとめています。
元気なうちに話しておく
どこで過ごしたいか、どんな治療を望むか。厚生労働省はこれを話し合っておくことを 「人生会議」と呼んで勧めています。
切り出しにくい話です。ただ、話していないと、家族が決めることになります。 本人の意思が分からないまま選んだ家族が、あとあとまで「あれでよかったのか」を抱えます。 一度で決めきらなくていいので、折に触れて話しておくほうが、結局みんなが楽になります。